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営業といえば「話術が上手い人が勝つ」「アドリブで切り返せる人が強い」と思われがちですが、実際にはそうではありません。天野さんが提唱する「ライオンキング型営業」とは、トップ営業マンの才能や瞬発力に依存するのではなく、誰もが再現可能なシナリオと練習の仕組みを導入することで成果を安定させる手法です。まるで舞台の演劇のように完成度を高め、誰が演じても感動を生む仕組み。それこそが営業を仕組みとして強くする本質だと言えるのです。
営業に必要なのは「営業力」ではなくシナリオ力
ライオンキング型営業の核心は「優れたシナリオを用意し、徹底的に磨き込むこと」です。織田裕二主演のドラマのように役者一人の魅力で勝負するのではなく、ライオンキングのようにシナリオや演出そのものが観客を惹きつける仕組みを営業に取り入れるのです。誰が演じても成果が出るような完成度の高い台本を用意し、個人のカリスマ性に依存しない体制を整える。営業力とは頭の回転の速さではなく、練習とシナリオの精度によって裏付けられるものだと考えるべきです。
「すごろく」で自社独自の強みを見える化する
天野さんが提案するのは「すごろく」と呼ばれる6つの強みの明確化です。自社にしかない本当に価値のある特徴を6個書き出し、それを紙にまとめてお客様に4分以内で伝える。このシンプルなルールによって、説明が長引きお客様を退屈させるリスクを避けられます。さらに6つの中で1つでもお客様が反応すれば、そこから会話を広げてニーズに深く踏み込むことができます。つまり「すごろく」は会話の起点であり、同時に営業活動のシナリオとしても機能する仕掛けなのです。
営業で成果を左右するのは「演技力」
営業マンに必要なのは即興のトーク力ではなく「演技力」だと天野さんは強調します。お笑い芸人でさえ、すべてのネタをシナリオに基づき緻密に演じています。営業という現場においても同様で、アドリブで勝負するのは100年早い。だからこそ、用意されたシナリオを100時間単位で練習し、誰もが一定のクオリティで演じられる状態をつくることが必要です。ここで重要なのは「練習の仕組み」を会社として導入し、個人に任せないこと。繰り返すほど演技が自然になり、成果は安定していきます。
ライオンキング型営業の三つの実践ポイント
ライオンキング型営業を定着させるには三つの重要ポイントがあります。第一に、自社独自の「すごろく」を明確化し、説明を短時間にまとめること。第二に、時間管理を徹底して無駄を排除すること。第三に、お客様から情報を引き出し、課題や予算を把握することです。これらを組み合わせることで営業は単なる説明ではなく対話になり、提案の質が飛躍的に高まります。結局のところ、営業を成果に導くのは偶然のアドリブではなく、計算されたシナリオと演技の積み重ねなのです。
シナリオを仕組み化して組織全体で強くなる
ライオンキング型営業の最も大きな価値は「誰もが成果を出せる仕組み化」です。社長や一部のエース営業が「俺しかできない」と抱え込むのではなく、全員が同じシナリオを使って成果を出せるようにする。ロープレも突っ込み合うのではなく、ただシナリオ通りに演じているかを確認する場にする。これを継続的に行えば、全員が同じ舞台で同じクオリティを再現できる組織になります。営業は才能ではなく仕組みで強くなる。この考え方こそ、ライオンキング型営業の本質です。
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まとめ
営業に必要なのはアドリブ力でも腕力でもなく、優れたシナリオとそれを磨き込む仕組みです。ライオンキングの舞台のように、誰が演じても感動を呼ぶ完成度を営業現場で再現する。これにより、社長一人に依存しない組織的な強さを実現できます。まずは自社の「すごろく」を定義し、シナリオを100時間練習する仕組みを導入することから始めてみてください。その積み重ねが、営業を確実に勝利へと導く鍵になります。


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